ベンチャー企業に必要なことは小さい視点を持つことです。それは視野を狭くするという意味ではありません。既存のビジネスはすでに大企業が市場を開拓し、新規の参入を許さないほど大きなビジネスモデルが確立しています。その大きなビジネスモデルの中でベンチャー企業は大企業が手を出していない専門的で小規模の市場や分野を開拓し、新たなビジネスモデルを作り上げることが必要です。
そのヒントはエンドユーザーである消費者が握っています。不安や不満、不便などの消費者の「不」を解消するのです。例えば買い物をする中で「もっとこうすれば便利になる」という思いもよらない一言にアイデアや発想が埋もれていることがあります。また、消費者はニーズに気がついていないこともあります。日常化され当たり前のように行っているその行動について疑問を持たないことがあるのです。
リモコンが良い例でしょう。もともとテレビにはリモコンがついていませんでした。当然であるがリモコンがなくてもテレビの視聴に影響はありません。だが、一度使用しその利便性に触れると手放せないのです。今ではテレビメーカーでなくてもリモコンを製造販売し、その利便性から複数の電化製品に対応した便利なリモコンまであります。テレビを見るという行動を分析し、その利便性を掘り下げたことで新たなビジネスモデルにつながったと言えるでしょう。そのためベンチャー企業は消費者の意見や行動を把握し、その内容を細かな視点で分析しニーズを拾いあげることが重要です。